設立趣旨


障害児を持つ親のオンラインコミュニティ「サードプレイス」から派生した、「産科医療補償制度を考える親の会」です。

産科医療補償制度とは、2009年に産科医の向上を目指す、家族の経済的負担を減らすという理念のもと、スタートしました。妊婦であれば誰しもが入る、とても身近な制度なのです。
現在、この制度によって救われる家族がいる一方で、医学的に合理性がない規約によって、救われない家族が多くいます。

2020年、2022年以降出生児に対し、個別審査の撤廃が決定しました。それを受けて、個別審査によって、補償対象外になった児(制度が開始された2009年~2021年出生児)の救済を訴えていくために発足いたしました。2021年出生児までは現行制度が適用されるために、医学的に合理性がない規約により、約500人の児が補償対象外となり、脳性麻痺になった原因分析が行われず、3000万円の補償金も受け取れていません。約650億の余剰金(税金ではなく、出産育児一時給付金から掛金が支払われています)があるにもかかわらず、児の救済の議論さえされていない状況です。

障害児を持つ子供を育てていくにあたり、原因分析がなされないと、いつまでも、なぜ、我が子はこうなってしまったのか、その疑問を一生持ち続けて過ごさなければいけません。さらに、原因分析をされないのは、制度が指針とする、産科医療向上の観点から疑問が残ります。
障害児育児は福祉手当があるにしろ、バリアフリーのための住宅改築費や福祉車両の購入費など一般家庭よりはるかに多くの金額が必要になります。

産科医療補償制度は障害児家庭の経済的負担を軽減すると謳っているにも関わらず、重度脳性麻痺児に医学的合理性がない規約によって補償金が支払われないのは、私たち母親が安心して産める社会に反しており、少子化問題に反している現状なのです。

この不公平・不平等をなくすために、厚生労働省や国会議員、各関係機関に改善を求めていきます。
また、併せて、28週未満の制度適用に関して等、他の諸問題の改善も訴えていきます。

「産科医療補償制度の見直しに関する報告書」
http://www.sanka-hp.jcqhc.or.jp/documents/committee/pdf/minaoshinikansuruhoukokusho20201204.pdf

会長挨拶


サードプレイス、産科医療補償制度を考える親の会の会長 中西美穂です。私自身の子供が脳性麻痺で出生し、普通の育児とはかけ離れた育児に戸惑い、孤独を感じていました。それをきっけに特殊な育児を行う障害児を持つ親御さんのコミュニティを作りたい、そういう思いでサードプレイスを立ち上げました。また、自身の子供が早産により産科医療補償制度の対象外になったことがきっかけで、産科医療補償制度を考える親の会を発足させました。

障害児、障害児の家庭にとって、よりよい社会になるためには、私たち親の「誇り」が一番大事ではないかと感じています。我が子の親であることに誇りを持ち、社会に訴えていってこそ、インクルーシブ社会が広がる、私は、そう強く思っています。

会長 ホームページ
https://matsuba-m.jimdofree.com/

NPO法人 サードプレイス ホームページ
https://thirdplace-npo.com/

(2022年3月13日 朝日新聞朝刊和歌山版)

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